北横岳以北の登山道状況

20日に北横岳~亀甲池~双子池~大岳~北横岳を周遊して登山道の状況を見てきました。

北横岳から亀甲池までの登山道の上部はほとんど残雪に覆われ、下部は部分的に残雪がある程度でした。倒木は50本ほどあり完全に折れたもののみ撤去しました。10本ほど撤去できなかったものがありますが特に問題なく通過できます。

亀甲池から双子池間ですが、亀甲池から大岳・双子山の鞍部を乗っ越すところまでの残雪はごくわずかで、倒木も数本のみで問題はありません。

亀甲池~双子池間の倒木 Photo by Kenji Shimadate

亀甲池~双子池間の倒木

ただし鞍部から双子池までの約400mの間には直径20cm前後の倒木が50本程度あり、通過は非常に困難な状態でした。残雪があるおかげで倒木の合間を縫い何とか迂回できましたが、雪解けが進めば迂回も難しくなってしまいます。

倒木除去については未定ですので、しばらくの間は行程計画にこの区間を組み込まないようにした方が無難です。北横岳から双子池に向かう場合は大岳経由のルートもありますが、大岩の重なる非常に歩き難い道となります。

また北横岳から亀甲池へと下り、天祥寺原~大河原峠~双子山~双子池へと向かうこともできますが、亀甲池から双子池までは2時間程度かかります。

双子池から大岳までの登山道ですが、天狗の露地以外の樹林内の所々に残雪があります。倒木の心配はありませんが、枝の張り出しているところが多いのと残雪の踏み抜きに注意が必要です。

大岳から北横岳間の残雪はごく僅かで、倒木の心配もありません。

蓼科山方面ですが、詳しいことは蓼科山の山小屋にお問い合わせいただくの一番ですが、天祥寺原から将軍平のルートには多数の倒木があるようです。

自然の様子ですが、亀甲池も双子池も満水で見栄えのいい状態で、双子池付近ではカラマツの新緑が始まり、池畔のヤマザクラも開花していました。

新雪の森と七ツ池と八ヶ岳(21日撮影) Photo by Kenji Shimadate

新雪の森と七ツ池と八ヶ岳(21日撮影)

話は変わりますが、20日の夜半から21日の朝にかけて新雪が5㎝ほど積もりました。残雪上に降り積もった新雪以外はすでに融けてしまいましたが、朝の雪景色はとても新鮮な感じがしました。

この日は寒気が入り込んでいたため比較的空気が澄んでいて、夕方には眩しい太陽が槍ヶ岳付近へ沈んでいきました。夕空には三日月があり、その位置から穂高岳付近に沈むのではないかと期待をして小屋に戻りました。頃合いを見計らって再び山頂に立つと、狙い通りに三日月は穂高岳に向かっていたのでした。

穂高に沈みゆく三日月(21日撮影) Photo by Kenji Shimadate

穂高に沈みゆく三日月(21日撮影)

※5月後半の雪は決して珍しいものではありませんので、雪対策を怠らないようにお気を付けください。

※登山道の残雪状況ですが、坪庭から北横岳までの氷雪路は2割以下にまで減少しました。当ヒュッテから山頂までの急坂路の約150mに残雪があります。

※登山道の残雪が消えるのは6月中旬頃と予測します。

※倒木についてですが、北横岳以南の撤去作業は少しずつ行われており歩行困難な箇所はかなり解消されました。北横岳以北から蓼科山までの倒木の撤去作業は未定となっています。

【山のようす 5月22日現在】

坪庭ではコメバツガザクラやミネズオウが見頃となりました。陽当たりの良い岩場ではイワカガミの蕾が膨らみ、少しずつですが開花も始まりました。

ヒュッテのある標高2400mの最近の気温は、最低が-3℃~2℃、最高は4℃~13℃です。

強風が吹き荒れる日もあるので体感温度はもっと下がります。防寒着等は必ず寒い方へ対応できるものをご用意ください。

夏道が出ているところが多くなりました。残雪は多いところで1m程度です。

氷雪路の歩行に不安のある方はアイゼン等の滑り止めをご用意ください。

亀甲池方面へ向かう方は6本爪以上のアイゼンが必要な場合があります。

山の状況に対して装備不足と思える登山者が目に付きます。特に初心者を連れて来られる方は、必ず装備や力量の確認をしてから入山してください。

疲労や道標の見落とし等により、行程計画に対し大幅に遅れてしまっている登山者を見かけます。最終目的地には15時までに到着できるような計画であることや、トラブル等へ対処するための予備時間を行程計画に入れ込むことをすすめます。

日帰り登山の方でもヘッドランプは必ず携行してください。

緊急時を除き、指定地にテントを張るのがルールです。指定地以外での幕営は植生破壊となる場合があります。

万が一の時に備えての装備だけでなく、経験や知識等が必要となるので初心者だけでの登山は控えるようにお願いします。

個人個人の登山能力や装備等が山の状況にそぐわない場合や体調が優れない時などは、登山計画の変更あるいは中止するなど柔軟に対応してください。

山の最新情報や装備についての問い合わせは現地電話(090-3140-9702)へお尋ねください。

【予約状況 5月22日現在】

現在、満室となっている日はありません。

尚、宿泊予約の無い日は閉館しているのでご注意ください。

定員制と予約人数に合わせて食材を背負い上げているので宿泊される方は必ず予約してからお越しください。

当ヒュッテは定員制です。相部屋が基本で個室ではありません。満室時の就寝スペースは一人一畳となります。

現在の食事の時間は夕食が17時30頃~19時終了、朝食は6時00分~7時00分終了となります。

お弁当は要予約です。

また宿泊にあたっては、こちらのページもお読みください。
https://kitayoko.com/information

【お知らせ】

北八ヶ岳ロープウェイの営業時間は平日8:40~16:40、土日祭日8:20~17:00です。

ロープウェイから茅野駅行きのバス便の最終時間に気をつけてください。

国道299号の麦草峠付近の冬季閉鎖は解除されています。

大河原峠への車道は現在も冬季閉鎖中です。佐久市からは6月上旬頃、立科町からは6月中旬頃に開通となる見通しです。詳細は各役所(場)へお問い合わせください。

【北八ヶ岳・北横岳ヒュッテ】

営業/通年(要予約、予約のない日は休館となります)

夏期料金(6月〜9月)
1泊2食付き 8000円
1泊夕食付き 6900円
素泊まり 4800円

春季・秋季料金(4月、5月、10月、11月)
夏期料金に対して400円増しとなります。

冬季料金(12月〜3月)
夏期料金に対して800円増しとなります。

収容/40人

ご予約・お問い合わせ
391-0002
長野県茅野市塚原2-17-26
島立健二
予約 090-7710-2889
現地 090-3140-9702