3月の油断

雪の少ないところへ追い打ちをかけるように、2月下旬は気温が高く晴れる日が多かったため山の様子は4月20日頃の残雪期のような状態となっていました。

しかし2月28日に20㎝、3月3~4日にかけて30㎝以上の降雪があったので冬山の様相を取り戻してくれたのです。

樹氷林と南アルプス(3月5日撮影) Photo by Kenji Shimadate

樹氷林と南アルプス(3月5日撮影)

総積雪量も平均で1m程度となり、今冬の最大積雪量にもなりました。
それでも例年の半分程度の積雪量しかないので物足りなさはありますが今は雪山らしさを十分に感じられます。(ただし樹氷は晴れるとすぐに崩れてしまいます)

記録的な少雪の影響でこの近辺の雪山初心者向けと紹介される入笠山や霧ヶ峰では、雪が少なすぎて雪山らしさを楽しむことができないようです。そのためか今冬は北八ヶ岳ロープウェイ周辺へ雪を求めて訪れる方が大変多くなっており、北横岳への日帰り登山者は過去にないほど多くの方が訪れています。

滝雲と後立山連峰(3月5日撮影) Photo by Kenji Shimadate

滝雲と後立山連峰(3月5日撮影)

ただ標高2000m以下の山に比べ2500mに迫る標高の山は気温や風の強さも厳しくなるので、雪を求めてこの辺りに転進されて来る方は環境の違いに十分に気を付けるようにお願いします。

また、北横岳以北は積雪量が増えてきたことでSNS等で発信された2月中の登山記録が参考にならなくなりました。踏み跡がなくなることもあるので夏山のコースタイム通りに計画を立てると大変なことになってしまいます。

そのため例年通りにカンジキまたはスノーシュー、ビバーグできる装備を必ず持つようにしてください。過去に情報を当てにして北横岳以北へ向かったものの雪の多さと雪質の悪さに自力脱出が困難となり救助隊が救出に向かうという事例もありました。

3月は厳寒期と変わらない厳しさとなることもあります。確かに暖かい日もありますが、気温の高いことで湿雪に苦戦したり服や靴、手袋が濡れて凍えてしまうこともあるのです。

入山者の気が緩みがちとなることが原因で3月の山が危険となることもあります。
暖かくなり始めたからと油断されないようお願いいたします。

※凍結箇所があるのでアイゼン等の滑り止めを必ず携行してください。簡易アイゼンでは役に立たないこともあるのでご注意ください。

※アイゼンやスノーシューを装着したまま建物内へ立ち入らないようお願いします。

※ピッケルをザックに取り付けたまま登山道を歩いたりロープウェイに乗車される方は、必ず鋭利な先端にカバーを取り付けてください。大変危険です。

※現在の積雪量で登山道以外へ入り込むと植生破壊となります。特別保護地区内での著しい樹木損傷は罰金刑や禁固刑となることがあるのでご注意ください。

※当ヒュッテは外来利用のできないことが多々あります。また諸般の事情により冬季は山小屋内での休憩利用ができません。

【山のようす 3月6日現在】

ヒュッテのある標高2400mの最近の気温は、最低が-12℃~-2℃、最高は-7℃~2℃です。

寒暖差がありますが、装備は必ず寒い方へ対応できるものをご用意ください。

標高2400m付近の積雪量は平均100㎝程度です。吹き溜まりは150㎝以上となっています。

標高2000m付近の積雪量は20~70㎝程度です。

現在の積雪量では登山道以外をスノーシューで楽しむことはできません。

北横岳以北へ向かう登山道は不明瞭なことが多々あります。不用意に向かわない方が無難です。

山の最新情報や装備についての問い合わせは現地電話(090-3140-9702)へお尋ねください。

【予約状況 3月6日現在】

3月8、9日は満室としていましたが若干の空きができました。

3月11、12日、4月1日~4月19日は都合により休館します。

平日に宿泊予約者総数が一人だけであっても小屋明けをしておりましたが、諸般の事情により冬季の土日祭日以外は複数名の宿泊予約で小屋明けをすることになりました。

上記以外の日でも用事ができてしまうと宿泊不可となることもあります。

宿泊予約の無い日は閉館しているのでご注意ください。

定員制と予約人数に合わせて食材を買出しして背負い上げるので、宿泊される方は必ず予約してからお越しください。

宿泊を希望される方は「宿泊の方へ」のページも必ずお読みください。
https://kitayoko.com/information

【登山の注意点】

北横岳が活火山であることに留意されますようお願いいたします。尚、北横岳には噴火に備えてのシェルターやヘルメット等の配備はありません。

山の状況に対して装備不足と思える登山者が目に付きます。特に初心者を連れて来られる方は、必ず装備や力量の確認をしてから入山してください。

夕方以降に大怪我等をされても救助活動は翌朝となります。暗くなってからの行動は昼間よりも危険となるので夕方以降は各自の能力範囲内で行動してください。

疲労や道標の見落とし等により行程計画に対し大幅に遅れてしまうことがあります。最終目的地には15時までに到着できるような計画であることや、トラブル等へ対処するための予備時間を行程計画に入れ込むことをすすめます。

日帰り登山の方でも登山で必要な最低限の装備を必ず携行してください。(装備不足は命が危険に晒されることになります)

万が一の時に備えての装備だけでなく、経験や知識等が必要となるので初心者だけでの登山は控えるようにお願いします。

個人個人の登山能力や装備等が山の状況にそぐわない場合や体調が優れない時などは、登山計画の変更あるいは中止するなど柔軟に対応してください。

緊急時を除き、指定地にテントを張るのがルールです。指定地以外での幕営は植生破壊となる場合があります。

長野県登山条例で登山計画書の提出が義務化されています。

【お知らせ】

平日に宿泊予約者数が一人だけでも小屋明けをしておりましたが、冬季の土日祭日以外は複数名での宿泊予約で小屋明けをすることになりました。

昼食の提供をしておりません。また不定休となっているので休憩利用ができないことがあります。

国道299号線の麦草峠付近は冬季閉鎖となりました。

救助要請や非常事態の場合を除き、15時半から翌朝8時までは宿泊者以外の立ち入りをお断りしています。

4月1日(月)~4月19日(金)まで北八ヶ岳ロープウェイは点検運休となります。

【北八ヶ岳・北横岳ヒュッテ】

営業/通年(要予約、予約のない日は休館となります)

夏期料金(6月〜9月)
1泊2食付き 8200円
1泊夕食付き 7000円
素泊まり 4800円

春季・秋季料金(4月、5月、10月、11月)
夏期料金に対して400円増しとなります。

冬季料金(12月〜3月)
夏期料金に対して800円増しとなります。

収容/30人

ご予約・お問い合わせ
〒391-0301
長野県茅野市北山4035-2 石臼台A-8
島立健二
予約 090-7710-2889
現地 090-3140-9702