冬の月夜

星空を楽しみたい方にとって月の明かりは邪魔なものとなってしまいますが、月明かりに照らされる樹氷を始めとする雪景色は冬ならではの美しさを魅せてくれます。

半月程度の明るさでも照らし出されるので、月の出ている夜は昼間と違った雰囲気を楽しんでいただければと思います。

夜空に輝く月 Photo by Kenji Shimadate

夜空に輝く月 Photo by Kenji Shimadate

今冬は少雪傾向で、いまだに1m程度の積雪しかありません。

国定公園の特別保護地区に指定されている溶岩台地の坪庭もハイマツやシャクナゲが雪に覆われずに顔をのぞかせる状態となっているのですが、植生を傷めつけることに罪の意識を感じないと思われる方々が登山道以外へ入り込んでスノーシューを楽しんでいるのです。

登山道以外の踏み跡(坪庭にて) Photo by Kenji Shimadate

登山道以外の踏み跡(坪庭にて) Photo by Kenji Shimadate

宿泊される方々からも植生を傷めつけたスノーシューの跡に「悲しい気持ちになる」という言葉を聞かされることが多くなり、「何とかならないのか」とも言われるのですがどうすることもできない壁があるのです。

その壁とは大きく言えば「経済効果」で、厳しく規制してしまえばスノーシュー人気は下火となり、地元の観光的な収入が減るばかりか製造元や販売店、出版業者にも影響を与え、レンタル業者やツアー業者まで打撃を受けることになり、経済効果や国民の楽しみを奪うことになるのであれば監視する立場の方の腰は重くなることが想像できからです。

とは言え、登山道を外れる行為を厳しく規制するとロッククライミングやアイスクライミング、沢登りまで規制対象が飛び火することになりかねません。そのためには監視者が厳しい規制をかけなくて済むように、入山される方々が自然に対して極力ダメージを与えないようにしていただくしかありません。

製造メーカーも商品に「自然を傷めないように」というようなタグをつけたり、販売店やレンタル業、ツアー業に関わる方は言葉で、出版業者も文字で記すなどして、業界全体でスノーシューが自然破壊の道具とならないようにアピールしていただく必要があるのではないかと思います。

小さな山小屋の小屋主の思いなど届かないかもしれませんが、ただ私は「昔の坪庭の緑はもっと美しかった」という言葉を口にせずに済むことを願わずにはいられないのです。

注意! 詳細は不明ですが、北八ヶ岳で今冬2件目の低体温症での死亡事故があり今回も山小屋からそれほど離れていない場所だったようです。

天狗岳を除く北八ヶ岳は雪山ハイキングだとか初心者向きのエリアと紹介されることがありますが、1ヶ月の間に死亡事故が2件も起きています。標高2000m以上の冬山の危険を知らない初心者は必ず信頼のおける経験者に同行していただき、装備不足で入山することのないようにしてください。

月夜の樹氷 Photo by Kenji Shimadate

月夜の樹氷 Photo by Kenji Shimadate

※登山道以外へ立ち入る方は自然を傷めないよう心掛けてください。

※目印に立ててあるポール(予備のものを含む)を持ち去らないでください。

※北横岳以北の山小屋は冬季閉鎖となっています。またこの方面への入山者は少ないので登山道は不明瞭となります。

※アイゼン等の滑り止めを必ず携行してください。6本爪以上のアイゼンをおすすめします。

※アイゼンを装着したまま建物内には入らないでください。

【山のようす 1月29日現在】

ヒュッテのある標高2400mの最近の気温は、最低が-21℃~-12℃、最高は-16℃~-5℃です。

ヒュッテ付近の積雪は100㎝程度です。標高2000m以下は30cm程度です。

山の最新情報や装備についての問い合わせは現地電話(090-3140-9702)へお尋ねください。

【予約状況 1月29日現在】

2月4日、11日は満室となりました。

1月31日(火)、2月7日(火)、3月16日(木)は都合により休館いたします。

宿泊予約の無い日は閉館しているのでご注意ください。

定員制と予約人数に合わせて食材を背負い上げているので宿泊される方は必ず予約してからお越しください。

当ヒュッテは定員制です。相部屋が基本で個室ではありません。満室時の就寝スペースは一人一畳となります。

現在の食事の時間は夕食が17時30分頃~19時終了、朝食は6時30分~7時30分終了です。

宿泊予約されている方は遅くとも16時までに到着してください。

お弁当はできません。

また宿泊にあたっては、こちらのページもお読みください。
https://kitayoko.com/information

【登山の注意点】

北横岳が活火山であることに留意されますようお願いいたします。尚、北横岳には噴火に備えてのシェルターやヘルメット等の配備はありません。

山の状況に対して装備不足と思える登山者が目に付きます。特に初心者を連れて来られる方は、必ず装備や力量の確認をしてから入山してください。

登山道の状況が変化しやすい時期です。思いのほか歩行時間がかかることがあるので行程計画は無理のないものにしてください。

三ツ岳付近や大岳~双子池間はペンキ印を頼りに歩くルートです。積雪している時は不明瞭となります。

夕方以降に大怪我等をされても救助活動は翌朝となります。暗くなってからの行動は昼間よりも危険となるので夕方以降は各自の能力範囲内で行動してください。

疲労や道標の見落とし等により行程計画に対し大幅に遅れてしまうことがあります。
最終目的地には15時までに到着できるような計画であることや、トラブル等へ対処するための予備時間を行程計画に入れ込むことをすすめます。

日帰り登山の方でも登山で必要な最低限の装備を必ず携行してください。(装備不足は命が危険に晒されることになります)

万が一の時に備えての装備だけでなく、経験や知識等が必要となるので初心者だけでの登山は控えるようにお願いします。

個人個人の登山能力や装備等が山の状況にそぐわない場合や体調が優れない時などは、登山計画の変更あるいは中止するなど柔軟に対応してください。

緊急時を除き、指定地にテントを張るのがルールです。指定地以外での幕営は植生破壊となる場合があります。

【お知らせ】

当ヒュッテは昼食の提供をしておりません。また不定休となっているので休憩利用ができないことがあるのでご注意ください。

ロープウェイの営業時間は9:00~16:00です。

国道299号線の麦草峠付近は冬季通行止めです。

当ヒュッテは救助要請や非常事態の場合を除き、15時半から翌朝8時までは宿泊者以外の立ち入りをお断りしています。

長野県登山条例で登山計画書の提出が義務化されています。

【北八ヶ岳・北横岳ヒュッテ】

営業/通年(要予約、予約のない日は休館となります)

夏期料金(6月〜9月)
1泊2食付き 8000円
1泊夕食付き 6900円
素泊まり 4800円

春季・秋季料金(4月、5月、10月、11月)
夏期料金に対して400円増しとなります。

冬季料金(12月〜3月)
夏期料金に対して800円増しとなります。

収容/30人

ご予約・お問い合わせ
〒391-0301
長野県茅野市北山4035-2 石臼台A-8
島立健二
予約 090-7710-2889
現地 090-3140-9702