北横岳以北

5日から6日にかけて20㎝~30cmの積雪があり、この降雪で北横岳以北と三ツ岳経由雨池峠間のトレースは消えてしまいました。

北横岳から三ツ岳へのルートは最高点の三ツ岳Ⅲ峰までトレースが付くことがありますが、視界が利かない時はⅡ峰からⅠ峰への下降点で迷いやすので注意が必要です。

Ⅰ峰から雨池山との鞍部までは急傾斜なので新雪直後は狭い登山道を雪が流れ落ちることもあります。雨池山の山頂付近は登山道がクランクしているので方向決めに注意が必要となります。

大岳へ向かう縦走路(2月7日撮影) Photo by Kenji Shimadate

大岳へ向かう縦走路(2月7日撮影)

このルートは赤テープ等の目印が少ないので北横岳方面から三ツ岳Ⅲ峰を往復するのが無難で、ルートが判らない時は無理せず引き返すようにしてください。ルートを探すために動き回ると余計な踏み跡ができてしまい道迷いの原因となることもあります。

さて北横岳以北ですが、積雪が増えてきたことで夏道を辿ることが困難となってきています。ビバーグとなる確率が高くなるので相応の能力のある方だけが向かうようにしていただき、カンジキやスノーシューは必携です。

亀甲池ルートは樹林帯の中を下って行くのですが、赤テープ等の目印が見つけられない可能性があります。また雪に埋まった幼木帯に迂闊に入り込むと踏み抜いて落ち込むことになり、脱出のために体力を激しく消耗します。このルートは北斜面にあり積雪が比較的多いのが特徴です。

過去に北横岳からかなり下った後に引き返すことも困難となり救助要請が出されたこともあるので、北横岳から亀甲池へ向けて下る場合は引き返すことが困難となる前に退却を決める判断が重要となります。

大岳経由双子池ルートも目印が少なく、大岳山頂を往復する分岐点から双子池までの間はルート探しだけでかなりの時間を費やすことが予想できます。過去に進退窮まり救助要請という事例が数回ありました。

今冬の入山者は冬山の危険を意識した装備で来られる方が多くなっているように思いますが、毎年のように訪れる無防備な方々も相変わらず目立ちます。今冬に気になるのは無防備な方々が北横岳以北へ向かおうとしていることです。

北横岳以北へのコースはロープウェイからとは違って入山者が極端に少なく、何週間もトレースの付かないような場所となります。

そのためルート探しやラッセルに時間がかかり、夏山のコースタイムで計画を立ててしまうと下山できなくなってしまうことになりかねず、北横岳と蓼科山との間は携帯電話の電波の届きにくい場所が多いため救助を呼ぶことも困難となってしまうのです。

朝陽を受ける蓼科山(2月7日撮影) Photo by Kenji Shimadate

朝陽を受ける蓼科山(2月7日撮影)

蓼科山から北横岳に向かう場合の難易度はさらに増し、先日も当ヒュッテに宿泊を予定していた方が辿り着けずビバーグを強いられることがありました。

積雪の増えた北横岳以北は入山者が少ないにもかかわらず遭難件数が多い危険なエリアです。

初心者だけでは決して立ち入らず、経験者の方々も油断することのないようお願いいたします。

注意! 天狗岳を除く北八ヶ岳で低体温症での死亡事故が2件起きました。標高2000m以上の冬山の危険を知らない初心者は必ず信頼のおける経験者に同行していただき、装備不足で入山することのないようにしてください。

※登山道以外へ立ち入る方は自然を傷めないよう心掛けてください。

※目印に立ててあるポール(予備のものを含む)を持ち去らないでください。

※北横岳以北の山小屋は冬季閉鎖となっています。またこの方面への入山者は少ないので登山道は不明瞭となります。

※アイゼン等の滑り止めを必ず携行してください。6本爪以上のアイゼンをおすすめします。

※アイゼンを装着したまま建物内には入らないでください。

【山のようす 2月8日現在】

ヒュッテのある標高2400mの最近の気温は、最低が-20℃~-12℃、最高は-15℃~-5℃です。

ヒュッテ付近の積雪は120㎝程度です。標高2000m以下は50cm程度です。

9日から雪の降りやすい状態が続く見込みなので積雪はさらに増えそうです。

山の最新情報や装備についての問い合わせは現地電話(090-3140-9702)へお尋ねください。

【予約状況 2月8日現在】

現在満室となっている日はありませんが、2月24日(金)、3月18日(土)は満室近くになっています。。

3月16日(木)は都合により休館いたします。

宿泊予約の無い日は閉館しているのでご注意ください。

定員制と予約人数に合わせて食材を背負い上げているので宿泊される方は必ず予約してからお越しください。

当ヒュッテは定員制です。相部屋が基本で個室ではありません。満室時の就寝スペースは一人一畳となります。

現在の食事の時間は夕食が17時30分頃~19時終了、朝食は6時30分~7時30分終了です。

宿泊予約されている方は遅くとも16時までに到着してください。

お弁当はできません。

また宿泊にあたっては、こちらのページもお読みください。
https://kitayoko.com/information

【登山の注意点】

北横岳が活火山であることに留意されますようお願いいたします。尚、北横岳には噴火に備えてのシェルターやヘルメット等の配備はありません。

山の状況に対して装備不足と思える登山者が目に付きます。特に初心者を連れて来られる方は、必ず装備や力量の確認をしてから入山してください。

登山道の状況が変化しやすい時期です。思いのほか歩行時間がかかることがあるので行程計画は無理のないものにしてください。

三ツ岳付近や大岳~双子池間はペンキ印を頼りに歩くルートです。積雪している時は不明瞭となります。

夕方以降に大怪我等をされても救助活動は翌朝となります。暗くなってからの行動は昼間よりも危険となるので夕方以降は各自の能力範囲内で行動してください。

疲労や道標の見落とし等により行程計画に対し大幅に遅れてしまうことがあります。
最終目的地には15時までに到着できるような計画であることや、トラブル等へ対処するための予備時間を行程計画に入れ込むことをすすめます。

日帰り登山の方でも登山で必要な最低限の装備を必ず携行してください。(装備不足は命が危険に晒されることになります)

万が一の時に備えての装備だけでなく、経験や知識等が必要となるので初心者だけでの登山は控えるようにお願いします。

個人個人の登山能力や装備等が山の状況にそぐわない場合や体調が優れない時などは、登山計画の変更あるいは中止するなど柔軟に対応してください。

緊急時を除き、指定地にテントを張るのがルールです。指定地以外での幕営は植生破壊となる場合があります。

【お知らせ】

当ヒュッテは昼食の提供をしておりません。また不定休となっているので休憩利用ができないことがあるのでご注意ください。

ロープウェイの営業時間は9:00~16:00です。

国道299号線の麦草峠付近は冬季通行止めです。

当ヒュッテは救助要請や非常事態の場合を除き、15時半から翌朝8時までは宿泊者以外の立ち入りをお断りしています。

長野県登山条例で登山計画書の提出が義務化されています。

【北八ヶ岳・北横岳ヒュッテ】

営業/通年(要予約、予約のない日は休館となります)

夏期料金(6月〜9月)
1泊2食付き 8000円
1泊夕食付き 6900円
素泊まり 4800円

春季・秋季料金(4月、5月、10月、11月)
夏期料金に対して400円増しとなります。

冬季料金(12月〜3月)
夏期料金に対して800円増しとなります。

収容/30人

ご予約・お問い合わせ
〒391-0301
長野県茅野市北山4035-2 石臼台A-8
島立健二
予約 090-7710-2889
現地 090-3140-9702