まるで春

この数日はとても暖かく、4月後半のGW直前のような陽気となっています。

樹々の根元の雪が融ける「根明け」が始まり、春霞で眺望はスッキリとせず、さらに樹氷も崩れ落ちているため山全体の雰囲気が春山のようになっているのです。

朝陽射す林下(3月8日撮影) Photo by Kenji Shimadate

朝陽射す林下(3月8日撮影)

この陽気の影響で日中の登山道の雪はぐちゃくちゃになり、雪の下にある氷の層が出てきてしまったところがあります。

また朝夕や冷え込んでいる時の登山道はカチカチに凍ってしまうので、6本爪以上のアイゼンの使用が望ましい状態です。(チェーンタイプを含む簡易アイゼンでの登下降は不可能とは言いませんが、爪の長さが短いアイゼンは登山道の状態によっては滑り止めの効果が期待できないことがあります)

ただし、新雪が積もった後に気温が上昇するとアイゼンに雪が付着して滑り止めとならないことがあるので、凍った場所を通過する際は注意してください。

登山中に使わないに越したことがない物として、ビバーグを想定した装備や防寒着、替えの手袋や靴下などが挙げられるますが、気温が高くて冬山らしい厳しさが感じられないためか最近は無防備の軽装すぎる登山者を見かけるようになっています。

春は寒暖の差が大きく、日中にプラスの気温なったとしても夜には-10℃以下まで下がることがしばしばあるので、暖かいからと必要最低限の防寒対策や足回りを中心とした濡れ対策を怠ると遭難してしまった時に凍傷や低体温症になり命の危険が迫ることになるのです。

夜明け前の天の川(3月8日撮影) Photo by Kenji Shimadate

夜明け前の天の川(3月8日撮影)

厳しい自然環境の山岳地においては入山する者が自分自身の命を守らなければなりません。たとえ遭難したとしても救助要請が出なければ救助隊は出動しませんし、遭難直後に救助要請を出したとしても救助隊が到着するまでは1日以上かかることもあります。当り前ですが遭難現場にいない救助隊員や山小屋関係者が遭難者の命を守ることはできないのです。

暖かさによる油断が命取りとなることあるので、気を緩ますことなく入山されるようお願いいたします。

※寒暖の差がありますが、装備等は必ず寒い方に対応できるものをご用意ください。逆に気温が異常に高い時は濡れ対策が必要です。

※スノーシューで登山道を外れて楽しまれる方は植生を傷めないようにご注意ください。特に坪庭や北横岳は自然環境の特別保護地区に指定されているので、著しい植生破壊は罰金または禁固刑に処されることもあります。

※アイゼンやスノーシューの脱着は必ず屋外で行い、装着したままで建物内へ踏み入ることのないようにしてください。

【山のようす 3月9日現在】

ヒュッテのある標高2400mの最近の気温は、最低が-15℃~-2℃、最高は-10℃~3℃です。

ヒュッテ付近の積雪量は60㎝程度です。吹き溜まりには1m以上の積雪があります。

山の最新情報や装備についての問い合わせは現地電話(090-3140-9702)へお尋ねください。

9日の朝から雪降りとなっています。10日は入山しないので現地の積雪状況は不明となります。

【予約状況 3月9日現在】

3月12日はほぼ満室となりました。

3月10、15日、4月4~22日は都合により閉館いたします。

尚、宿泊予約の無い日は閉館しているのでご注意ください。

定員制と予約人数に合わせて食材を背負い上げているので宿泊される方は必ず予約してからお越しください。

当ヒュッテは定員制です。相部屋が基本で個室ではありません。満室時の就寝スペースは一人一畳となります。

現在の食事の時間は夕食が17時30頃~19時終了、朝食は6時30分~7時30分終了となります。(3月16日から朝食時間は6時~7時までとなります)

朝陽や夕陽の時間帯に食事時間が重なるので、朝夕にじっくりと写真撮影をされたい方には素泊まりをおすすめします。

宿泊予約されている方は遅くとも16時までに到着してください。

お弁当はできません。

また宿泊にあたっては、こちらのページもお読みください。
https://kitayoko.com/information

【登山の注意点】

昨冬の八ヶ岳ではお尻で滑り降りて足を骨折する事例が2件発生し、いずれも救助隊に救出されるという遭難事故がありました。登山道を意図的に滑り降りると登下降のためのステップを潰して尚且つ雪面を硬くしてしまいます。滑り降りて楽しいのは本人だけで多くの人にすれば迷惑行為です。他人への衝突の危険もあるので登山道を滑り降りることはご遠慮願います。

アイゼン等の滑り止めを必ずご用意ください。大雪の後はカンジキやスノーシューが有効です。

三ツ岳や大岳付近はペンキ印を頼りにするルートです。積雪時の行動は慎重にお願いします。

北横岳以北へ向かう方はカンジキやスノーシュー、テント等を必ず持っていただき、力量のある方以外は向かわないようにしてください。

北横岳が活火山であることに留意されますようお願いいたします。尚、北横岳には噴火に備えてのシェルターやヘルメット等の配備はありません。

山の状況に対して装備不足と思える登山者が目に付きます。特に初心者を連れて来られる方は、必ず装備や力量の確認をしてから入山してください。

疲労や道標の見落とし等により、行程計画に対し大幅に遅れてしまうことがあります。最終目的地には15時までに到着できるような計画であることや、トラブル等へ対処するための予備時間を行程計画に入れ込むことをすすめます。

日帰り登山の方でも登山で必要な最低限の装備を必ず携行してください。(装備不足は命が危険に晒されることになります)

万が一の時に備えての装備だけでなく、経験や知識等が必要となるので初心者だけでの登山は控えるようにお願いします。

個人個人の登山能力や装備等が山の状況にそぐわない場合や体調が優れない時などは、登山計画の変更あるいは中止するなど柔軟に対応してください。

緊急時を除き、指定地にテントを張るのがルールです。指定地以外での幕営は植生破壊となる場合があります。

【お知らせ】

当ヒュッテは昼食の提供をしておりません。また不定休となっているので休憩利用が
できないことがあるのでご注意ください。

麦草峠付近と大河原峠付近の車道は冬季閉鎖となっています。

北八ヶ岳ロープウェイは4月4日(月)から22日(金)まで点検運休となります。

【北八ヶ岳・北横岳ヒュッテ】

営業/通年(要予約、予約のない日は休館となります)

夏期料金(6月〜9月)
1泊2食付き 8000円
1泊夕食付き 6900円
素泊まり 4800円

春季・秋季料金(4月、5月、10月、11月)
夏期料金に対して400円増しとなります。

冬季料金(12月〜3月)
夏期料金に対して800円増しとなります。

収容/30人

ご予約・お問い合わせ
391-0002
長野県茅野市塚原2-17-26
島立健二
予約 090-7710-2889
現地 090-3140-9702